技能実習生・特定技能
技能実習生と特定技能はどちらを活用したら良いか?
受け入れ企業様のニーズによってどちらが良いかは変わるというのが、私たちの回答になってしまいます。
以下にて、差異をご説明します。
制度の目的の違い
- 技能実習制度は、発展途上国の方に日本の高い技術を現場での実習を通じて習得してもらい、帰国後に培った技術を広めていただくという国際貢献を目的としています。
- 特定技能制度 は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2019年4月から開始となりました。
就業可能な職種・作業内容の違い
<技能実習>86職種158作業
- 農業関係 (2職種6作業)2.漁業関係 (2職種10作業)3.建設関係 (22職種33作業)4.食品製造関係 (11職種18作業)5.繊維・衣服関係 (12職種22作業)6.機械・金属関係 (15職種29作業)7.その他 (19職種35作業)
*技能実習生の受入れ人数が多い職種は、①機械・金属関係、②建設関係、③食品製造関係となっています。
<特定技能>12業種
介護、ビルクリーニング、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
*「コンビニ」・「トラック運転手」・「廃棄物処理」の3分野が今後追加される可能性が高いといわれています。
受け入れ人数の違い
・技能実習:受け入れ人数の制限あり
・特定技能:受け入れ人数の制限なし(国全体で34万5,150人という上限あり。建設と介護に関しては制限あり)
*技能実習生は技術やそこまで高い日本語力を求められないため面接に臨む人材を容易に集められますが、特定技能はある程度高い日本語力(N4)と技能試験の合格が求められるため、多くの候補者を集めることが容易ではありません。
就労条件の違い
・技能実習:原則45時間以内(超過した場合は、書類提出義務)、最低賃金から雇用可能、転職不可、家族の帯同不可
・特定技能:36協定の範囲内で就労、日本人と同等以上の給与設定が必要、転職可能、家族の帯同可(特定技能2号のみ)
受け入れ方法の違い
- 技能実習:現地で人選を行い、面談・事前研修を行う必要があります。
多くの企業は監理団体に入会し、人選から入国後のサポートまで任せるのが一般的です。
- 特定技能:技能実習2号修了、もしくは日本語能力試験および各分野の技能評価試験に合格することが必要です。日本在住の外国人でも、技能実習を修了し母国に帰国している外国人でも雇用することは可能です。特定技能の日本での生活や就労の支援を行う、登録支援機関にサポートを依頼する企業様がほとんどです。
在留期間の比較
- 技能実習1号:1年+技能実習2号:2年+技能実習3号:2年
- 特定技能1号:5年 / 特定技能2号:制限なし
*技能実習の期間が終わってから、特定技能に切り替えることが可能。多くは技能実習でまず日本に行き、3年~5年を経過した後に特定技能に切り替えるのが一般的となっています。
**特定技能2号は、現時点では特定技能1号から移行するしか方法がなく、建設と造船・舶用工業の2職種に限定されています
費用の違い
・技能実習(監理団体に入会して受け入れる場合)
入会金 1万円~10万円
年会費 2万円~15万円
採用者の渡航費 10万円(いまは現地に来ず、ZOOM面接も一般的となっています)
在留資格申請 2万円~4万円
技能実習生総合保険料(37か月) 2万円~6万円
健康診断費用 1万円
入国前講習費 1万5千円~4万円
入国渡航費 10万円
入国後研修 10万円
講習手当 6万円
健康診断費用 1万円
(定期的な費用)
管理費用 3万円~4万円
帰国渡航費積立金 2万円(年間)
技能検定料 2万円
在留資格更新 2万円~4万円
・特定技能
送り出し機関支払い 5万円~30万円
入管申請費用 5万円~20万円
入国渡航費 10万円
生活サポート費 3万円/月
受け入れ傾向の違い
①技能実習・特定技能どちらでも集まりやすい(技能評価試験の合格率が高い)
合格率85% 農業
72% ビルクリーニング
70% 飲食料品製造業
65% 介護
②技能実習・特定技能(海外にいる技能実習満了者)が中心
合格率64% 自動車整備
63% 建設
37% 造船
14% 製造業(素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業・造船・船舶工業)
③特定技能(既に日本に居る)が中心
合格率56% 外食業
*これからの分野
合格率52% 宿泊
50% 航空
⇒合格率が高い産業≒深刻な人不足で技能実習生でも受け入れ人数が多いといえる